2009年8月5日水曜日

僧帽弁手術における視野展開

僧帽弁手術における視野展開

柴田先生(関西労災病院)SJM DVD
Bolling M.D. エドワーズ CD(再生ソフト内臓、PC専用)

僧帽弁手術のポイント
Exposure! Exposure! Exposure!


SVC,IVCを十分剥離、受動する。その後、心房間を剥離する。
SVCの剥離は右PA、LA天井も十分露出し、SVCカニュレーションは、視野が悪いときにSVCを離断できるように、できるだけ頭側。

鈎のかけ方は、2または3本使用。
中隔側を1、2本。深くかけ過ぎない。場合によっては幅の狭いものを使用する。
下方を1本(エステックの場合、大動脈弁用)

2009年8月4日火曜日

ITAとOPCAB

第59回 日本胸部外科学会 ランチョンセミナー9
ITAとOPCAB 樋上先生
エチコンDVD

狭窄が甘い時、ITAはフローの競合にて閉塞することはないが、SVG、GEAは閉塞することがある。ITAでもY compositeは閉塞することがあり、sequantialは閉塞しにくい。

ITA中枢側の剥離がポイント
外側の枝をすべて処理すると、内側にある横隔神経とともに、さらに内側に受動される。

グラフトデザイン
基本 RITA-D-LAD, LITA-Cx 75%可能
代替 LITA-D-LAD, RITA-(LITAあまり-)Cx
→これは驚き。昨日の岡林先生と逆。

Key graftを最後に吻合する
 一瞬の虚血でも事故になりうるので、安全なところからする。
 →これも驚き。

グラフトの長さの決め方
 PA基部左側縁を経由点にする。

2009年8月3日月曜日

OPCABとPAS port system

第37回 日本心臓血管外科学会 ランチョンセミナー4
OPCABとPAS port system 岡林先生
センチュリーDVD

OPCABであっても術後管理はウエットに行う。(体重4kg増ってこともありらしい)
術後脳梗塞予防になるそうだ。ヘパリン使用もいい。

両側内胸動脈のコンポジットはLMTをつくるようなものだから、術前の評価が必要。
鎖骨下動脈起始部、IMA起始部を見ておく。
→うちは評価しているのでスタディになるかも。

両側内胸動脈使用により、CABGredoはなくなるが、AVRredoはあり得る。
RITAを前面に通すことはリスクになるのでtransvers sinusを通してAorta, PA後を通す。
こうすれば、redoになっても、剥離は簡単で、RITAはクランプとAortomyの間にあるので問題なし。

PAS portの後出血は、グラフトを受動して確認する。Woozingは止まる。追加針は簡単。とのこと。
→追加針は難しかったような気がする。ストラットで糸が切れる。

2009年8月2日日曜日

MICS

今まで手術をすることに興味があって、患者にやさしいとされている低侵襲手術に興味はなかった。何より低侵襲の定義自体に疑問があったので真剣に考えてこなかったが、今回、勉強してちょっと意識が変わってきた。
何より美容的にインパクトが高いことで、これによりアピールが高くなると思われる。

今ある道具、技術を使用して、やや大きめ7-10cmの傷でする方法と、MICS専用の機材を使用して(例えばロボット、持針機、糸結び機など)する方法がある。
当然、実行可能性の高いのは前者。

安全マージンが少なくなるので、一つ一つの手技を確実にこなしていくことが大切。
特に体外循環の確立がポイント。送血を入れるときが最もストレスが高い。アメリカにはメスの内臓された送血管があるらしい。FV脱血は、僧帽弁の展開などで悪くなることが多い。頚静脈脱血もする必要がある。アメリカにはFV脱血一本でできるように先端に屈曲防止用のワイヤーが入った脱血管があるらしい。

2009年7月30日木曜日

テンタクルズ




OPCAB用サクション型視野展開補助装置。
住友ベークライトDVDあり。

利点
心尖部吸引型と比較して吸引力が強いが、心外膜損傷が少ない。
多方向への牽引が可能で、心内腔を広げることができ、これにより血行動態を安定させることが可能。
安価

欠点
3本のサクションチューブに、3本の牽引紐があり、術野がやや煩雑になる。

これの凄いところは3本のサクションチューブに逆流防止弁を備え、たとえ1本が剥がれたりして、吸引圧が逃げても、他のサクションチューブ内の弁が閉鎖することにより陰圧が保たれるというところ。心臓の突然の落下を防止することができる。

OPCAB以外にも意外な使用法がありそう。

http://www.sumibe.co.jp/products/03_29_o.html

2009年7月29日水曜日

PPIとClopidogrel

Risk of Adverse Outcomes Associated With Concomitant Use of Clopidogrel and Proton Pump Inhibitors Following Acute Coronary Syndrome
JAMA. 2009;301(9):937-944.


メカニズムから言えば、PPI(omeprazoleなど)は、CYP 2C19代謝と関連するので、同様の代謝経路のclopidogrelの血小板抑制作用を減弱するそうだが、臨床的な重要性は不明であった。

単施設レトログレード試験。アメリカ退役軍人病院。

多変量解析にて、clopidogrel+PPIは、PPI服用無しのclopidogrel単独に比べACS死亡・再入院リスク増加 (補正オッズ比 [AOR], 1.25; 95% 信頼区間 [CI], 1.11-1.41)

この差はわずかである。しかも補正されているとはいえ、明らかにclopidogrel+PPI群のほうが状態の悪い患者が多い。

これだけでは、禁忌というまでには至らないであろう。それより潰瘍出血のほうがはるかに頻度は高く、怖い。

他のCYP 2C19代謝薬剤はどうなのだろう??

2009年7月28日火曜日

IMRの評価

虚血性僧帽弁閉鎖不全症は、ダイナミックな疾患であるため、状況に応じて病態が変化する。特にストレス下で悪化するので、麻酔下では過小評価されやすい。
エコー室、Op室においてヘッドダウンやシェイクハンドなどでの評価がいいかもしれない。