2009年9月18日金曜日

情熱大陸 :ミャンマーで無償医療をしている小児外科医


情熱大陸 :ミャンマーで無償医療をしている小児外科医


http://www.mbs.jp/jounetsu/2009/07_26.shtml


小児外科医・吉岡秀人44歳
少し前の放送なのだが、HDに録画してあったのを見た。

ミャンマーで無償で子供たちの治療を行っている。プロ集団的な医療チームを鍛え上げながら、作り上げている。よく周囲も付いていける物だ。すごいリーダーシップとともに、かなりの暴君度。こうでないとやっていけないのだろう。
あと経済的な裏づけが、日本で小児科医として働いている奥様というところも興味深い。

慈恵医大の大木先生は、日本人を治療して感じる喜びを語っておられたが、それと正反対。モチベーションが保てるのかが不思議。

2009年9月15日火曜日

三尖弁手術





Kay, deVega法から、フレキシブル・リングの時代に移り、今はリジッド・リングが主流。

MC3は、やはり良さそう。(当院でも導入しよう。)

TVRの成績
一般的に不良とされているが、実際の臨床の現場では、内科的治療を粘った末(肝機能低下を来たしてから)、他の治療法がなく仕方なく、TVRをした結果、不良となった症例が多く含まれている。実際、経験ではTAPとの差はほとんどないような気がする。

ビーティングでするとき
一番最初、あまり心臓が動き出していないときに、中前尖間のコミッシャーから糸掛けをする。ここが一番見難い。一方で弁輪などはビーティングでしたほうが良くわかるときもある。

ポイントはリングの種類よりサイズではないか?という意見もあった。サイズの決め方は決まったものはなさそう。

2009年9月14日月曜日

「死ぬときに後悔すること」 ~こんなに誠実な医療者は見たことがありません。


死ぬときに後悔すること25




アマゾンでベストセラーになっていたので、読んで見ました。

良心的な内容で誠実な著者であることが、すぐに感じられました。
医療の現場は、恋愛(この本の中に例えで出てきました)と同じで、奇麗事だけでは成り立ちません。
今までいろんな医療者の本を読んだことがありますが、なんか余所行きの感じがして、これは俺の知っているものとは違う。という思いが離れませんでした。
この本の中には、現実があります。そしてそれに向き合っている著者の姿、無力さが淡々と描かれています。そして最後に小さなドラマが書かれています。こういったお涙頂戴の話のオンパレードではないところが最高です。こうした姿勢が、この最後のドラマのリアリティにさらなる深みを持たせていると思います。

2009年9月13日日曜日

医療安全の講義



http://www.med.nagoya-u.ac.jp/anzen/


名古屋大学 心臓血管外科 上田裕一 先生による医療安全の講義を聴いてきました。
この方のまじめな人柄とか、真摯な態度など、講義の中に様々な形で現れていて、ほんとに頭が下がりました。
講義の内容は、最新の事柄が網羅されていてすばらしいです。
時間の制約のため、途中はかなり端折られていましたが、十分過ぎる内容でした。
あの講義のすばらしさを、どれだけの方が理解されているのか。

医療事故は、善意の医療者が不完全なシステムによって引き起こされる。というのには、まさに目から鱗です。
これって現在の官僚制度も同じなのではないかなと思いつきました。善意の公務員たちが集まって、知らないうちに機能不全に落ちていって、こんなことになっていった。よくマスコミが、悪意の高級官僚たちが起こした罪悪のように言ってますが、同じことが起こっているのかもしれません。あくまで善意の人々が起こしてしまう重大な出来事なんですね。

不完全なシステム改善の方法は、アメリカ式の物量作戦は失敗に終わり、ゲリラ作戦的な反復声掛け法が良いというのにも、納得させられました。
チーズ理論、最後の砦はナースなど、ほんとに興味深く聞かせていただけました。ありがとうございました。

2009年9月11日金曜日

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 9/17号


Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 9/17号

雑誌は、あまり買わないのだが、時間があって本屋に立ち寄り、3冊ほど衝動買いしてしまった。
これは、その内の1冊。

あの人のノートが見たい。

中村俊輔の、目標を、短期、中期、長期に分けて書きだし、それに必要なことを書き出しているのは、何かの本で読んだことがあり、有効かもしれないと思った。

あとグライシンガーの詳細なデータがすごい。1球1球、詳細に書かれていて、すばらしい。しかし何より大事なのは、いい球を投げることと言っているのも興味深い。

近いうちに自分の目標を改めて設定してみようと思う。

2009年9月10日木曜日

久しぶりの研究会発表と反省点



研究会参加

久しぶりに研究会発表をしたので、反省点のメモ。


聴衆のレベルに合わせた発表
特別講師の先生の講義は、かなり専門性が高く、レベルも高度であり、客席の反応は良くなかった。
自分の発表の中に同様のことがないか、反省すべし。

言葉と言葉の間に、つい「ええ、・・・」と言ってしまう。聞き辛い。

予定調和
内輪の会のため、表だった批判などを避け、その中でも良い点を見つけて賞賛する傾向にある会であったが、今回、忌憚のない発言があり驚いた。
せっかくの勉強会なので、こういうのもいいかもしれないが、一方で、十分注意が必要と感じた。

最近、症例が減っており、こういった機会に、いろんなコネクションを作り、信頼感を勝ち得る努力をすることが重要である。

2009年9月3日木曜日

PCI vs Medication for stable angina




Effect of PCI on quality of life in patients with stable coronary disease.
N Engl J Med. 2008 Aug 14;359(7):677-87

courage trial(Optimal medical therapy with or without PCI for stable coronary disease. N Engl J Med 2007; 356: 1503-16. ) の続報です。
courage trialでは
安定狭心症に対して、PCI (POBA only or BMS or DES少数)と薬物療法のみの4.6年の比較で、死亡、心筋梗塞など主要イベントに差がなかった
ということでした。そこでQOLならどうだ?ということなのでしょう。

結論は3年以内ならQOLを改善しているが、3年でその差はなくなるということでした。


一般的に言われていることですが、
クリニカルトライアルでは"efficacy"を評価する(理想的な環境で治療を比較する)のであって、実際の臨床現場での"effectiveness"を評価しているのではない。
と言うことですね。

対象が35000人の中から3000人がどうやって選ばれたのか。服薬コンプライアンスや、フォローが3割程度しか完遂できていないことなどが問題点になると思います。

あと蛇足ですが、日本のインターベンショニストの方々は、よく日本の方がテクニックが優れているので、日本で同様の試験をすれば差が出る。と仰いますが、日本の成績を出してから言ってほしいものです。