先日の右房腫瘍切除時のことなのですが、Total bypass(S&IVC脱血でスネアもして)としているのに、右房内が血液であふれていました。ほとんどは三尖弁から逆流です。Aortic clampも確実にされていましたし、LV ventも追加したのに、全く効果がありませんでした。
どうしてこんなことが起きるのでしょう??
可能性としては、肺分画症、気管支動脈が発達している。などが考えられますかね??
対処法としてはPAventも追加すればよかったかもしれません。
何かご存知の人があれば教えて下さい。
2009年2月12日木曜日
2009年2月10日火曜日
Predictors of recurrence and reoperation for prosthetic valve endocarditis after valve replacement surgery for native valve endocarditis.
Fedoruk LM, Jamieson WR, Ling H, Macnab JS, Germann E, Karim SS, Lichtenstein SV.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2009 Feb;137(2):326-33. Epub 2008 Oct 23.
IEにて人工弁置換術後の死亡による検討。目的は人工弁の種類の違いがあるのか。エンドポイントはIE再発または死亡
IV drug user/HIV 患者の成績がすごく悪いため。これが全てに影響を与えている。
人 工弁の種類に関しても、IV drug user/HIV 患者のバイアスがあり、単変量解析では差があるが、多変量解析では差がなくなっている。なんと単変量解析では、機械弁のほうが良いという結果であった。ク リーブランドクリニックのホモグラフトの論文と比較しており、成績に差がないことを強調しているが、IV drug user/HIV 患者のバイアスのことがあり、これについて検討しないと差がないことは言えないであろう。
弁輪部膿瘍、菌の種類などは、ほとんど述べられていない。
2009年2月2日月曜日
Coronary-artery revascularization before elective major vascular surgery.
Coronary-artery revascularization before elective major vascular surgery.
N Engl J Med. 2004 Dec 30;351(27):2795-804.Click here to read
McFalls EO, Ward HB, Moritz TE, Goldman S, Krupski WC, Littooy F, Pierpont G, Santilli S, Rapp J, Hattler B, Shunk K, Jaenicke C, Thottapurathu L, Ellis N, Reda DJ, Henderson WG.
先日のタイトルの非心臓手術前の心臓評価ガイドラインの元になった論文.やや古く2004年。
疾患はAAAとASOのみ。血行再建する、しないをランダマイズしている。PCIかCABGは循環器医が決定。
6000人弱の患者のうち、80%は除外されている。主な原因は心リスクが高い。緊急手術。他の重篤な疾患など。510人がエントリー。
心筋梗塞の定義が、心筋逸脱酵素の上昇と心電図変化と、かなり厳しい。おかげで10%以上が心筋梗塞というやや現状とかけ離れた結果になっている。
実際に心筋梗塞を起こす病変はタイトな病変ではなく、マイルドな病変であるから術前の冠血行再建は無意味という趣旨。
N Engl J Med. 2004 Dec 30;351(27):2795-804.Click here to read
McFalls EO, Ward HB, Moritz TE, Goldman S, Krupski WC, Littooy F, Pierpont G, Santilli S, Rapp J, Hattler B, Shunk K, Jaenicke C, Thottapurathu L, Ellis N, Reda DJ, Henderson WG.
先日のタイトルの非心臓手術前の心臓評価ガイドラインの元になった論文.やや古く2004年。
疾患はAAAとASOのみ。血行再建する、しないをランダマイズしている。PCIかCABGは循環器医が決定。
6000人弱の患者のうち、80%は除外されている。主な原因は心リスクが高い。緊急手術。他の重篤な疾患など。510人がエントリー。
心筋梗塞の定義が、心筋逸脱酵素の上昇と心電図変化と、かなり厳しい。おかげで10%以上が心筋梗塞というやや現状とかけ離れた結果になっている。
実際に心筋梗塞を起こす病変はタイトな病変ではなく、マイルドな病変であるから術前の冠血行再建は無意味という趣旨。
2009年1月30日金曜日
Perioperative Cardiovascular Evaluation and Care for Noncardiac Surgery
Perioperative Cardiovascular Evaluation and Care for Noncardiac Surgery
ACC/AHA 2007 Guidelines on Perioperative Cardiovascular Evaluation and Care for Noncardiac Surgery
A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines (Writing Committee to Revise the 2002 Guidelines on Perioperative Cardiovascular Evaluation for Noncardiac Surgery)
Journal of the American College of Cardiology Vol. 50, No. 17, 2007
October 23, 2007:e159-241
心臓の術前評価
非心臓外科手術の術前評価について、 ACC/AHAガイドラインが2007年に改訂されました。
先日から何度か日本の現状と大きな違いがあることを指摘していましたが、具体的に検討してみたいとおもいます。
アルゴリズムを見ていただいたら、一目瞭然です。
1、緊急手術の場合は手術を優先させる。
2、UAP、HF、不整脈、弁膜症の症状がある場合は、その疾患に応じた検査、治療を優先させる。
3、手術が低リスクの場合は、手術優先。
4、4MET(ごみ出しや皿洗いなどの軽労作)以上可能であれば、手術優先。
5、虚血性心疾患、心不全(既往も)、DM、腎機能障害、脳血管病変のリスクファクターのうち
1)3つ以上で 血管手術:検査を考慮
2)3つ以上で中等度リスクの手術、または1つか2つの場合:βブロッカーなどを用いてレートコントロールしつつ手術するか、非侵襲的検査をする
3)リスクなし:手術する
大きな変更の1つは、術前負荷試験、冠動脈造影を必要とするグループが非常に少なくなった事です。
PCIに関しては、ステントを入れる前に患者が近い将来手術が必要かどうかを確認する事、非薬剤溶出性ステントの場合は30-45日間、薬剤溶出性ステントの場合は365日間は、延期できる手術は延期する事。さらに、手術が必要になってしまった場合は、アスピリンはそのまま続け、clopidrogelやticlopidinは手術直後に再開する。
たとえばAAAの術前にCAGを行った際、無症状でもタイトな1枝以上病変が見つかることが良くありますが、こういった場合、治療が必要ないのでしょうか?痛い目にあった経験がありますが。。。
ACC/AHA 2007 Guidelines on Perioperative Cardiovascular Evaluation and Care for Noncardiac Surgery
A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines (Writing Committee to Revise the 2002 Guidelines on Perioperative Cardiovascular Evaluation for Noncardiac Surgery)
Journal of the American College of Cardiology Vol. 50, No. 17, 2007
October 23, 2007:e159-241
心臓の術前評価
非心臓外科手術の術前評価について、 ACC/AHAガイドラインが2007年に改訂されました。
先日から何度か日本の現状と大きな違いがあることを指摘していましたが、具体的に検討してみたいとおもいます。
アルゴリズムを見ていただいたら、一目瞭然です。
1、緊急手術の場合は手術を優先させる。
2、UAP、HF、不整脈、弁膜症の症状がある場合は、その疾患に応じた検査、治療を優先させる。
3、手術が低リスクの場合は、手術優先。
4、4MET(ごみ出しや皿洗いなどの軽労作)以上可能であれば、手術優先。
5、虚血性心疾患、心不全(既往も)、DM、腎機能障害、脳血管病変のリスクファクターのうち
1)3つ以上で 血管手術:検査を考慮
2)3つ以上で中等度リスクの手術、または1つか2つの場合:βブロッカーなどを用いてレートコントロールしつつ手術するか、非侵襲的検査をする
3)リスクなし:手術する
大きな変更の1つは、術前負荷試験、冠動脈造影を必要とするグループが非常に少なくなった事です。
PCIに関しては、ステントを入れる前に患者が近い将来手術が必要かどうかを確認する事、非薬剤溶出性ステントの場合は30-45日間、薬剤溶出性ステントの場合は365日間は、延期できる手術は延期する事。さらに、手術が必要になってしまった場合は、アスピリンはそのまま続け、clopidrogelやticlopidinは手術直後に再開する。
たとえばAAAの術前にCAGを行った際、無症状でもタイトな1枝以上病変が見つかることが良くありますが、こういった場合、治療が必要ないのでしょうか?痛い目にあった経験がありますが。。。
2009年1月26日月曜日
Survival benefit of aortic valve replacement in patients with severe aortic stenosis with low ejection fraction and low gradient with normal ejection
Survival benefit of aortic valve replacement in patients with severe aortic stenosis with low ejection fraction and low gradient with normal ejection fraction.
Ann Thorac Surg. 2008 Dec;86(6):1781-9.
Pai RG, Varadarajan P, Razzouk A.
Division of Cardiology, Loma Linda University Medical Center, Loma Linda, California, USA.
Severe AS (UCG; AVA<0.8)の患者の長期予後。
結論はEF低下例であっても、正常例であってもAVRによる生存率の改善が見込めるため、積極的にAVRをするべき。ということ。
EF低下群でPGが出ない患者にAVRが著効することがあるのは、よく知られています。
ただEF正常で、PGも少ない患者というのは、どんな患者なのか、良く分かりません。実際にあまりいない様な気がするんですが。
長期のフォローもされており、非常に良い点を突いていると思います。以下の問題点がなかったら、さらに良い論文になっていたと思います。
問題点は、
1、群分けのバイアス;どうしてもAVR群は、全身状態の良い患者を外科医は選んでしまう。
2、フォロー中にASが進行するとAVR群へ回ってしまう。
3、死因について述べられていない。
Ann Thorac Surg. 2008 Dec;86(6):1781-9.
Pai RG, Varadarajan P, Razzouk A.
Division of Cardiology, Loma Linda University Medical Center, Loma Linda, California, USA.
Severe AS (UCG; AVA<0.8)の患者の長期予後。
結論はEF低下例であっても、正常例であってもAVRによる生存率の改善が見込めるため、積極的にAVRをするべき。ということ。
EF低下群でPGが出ない患者にAVRが著効することがあるのは、よく知られています。
ただEF正常で、PGも少ない患者というのは、どんな患者なのか、良く分かりません。実際にあまりいない様な気がするんですが。
長期のフォローもされており、非常に良い点を突いていると思います。以下の問題点がなかったら、さらに良い論文になっていたと思います。
問題点は、
1、群分けのバイアス;どうしてもAVR群は、全身状態の良い患者を外科医は選んでしまう。
2、フォロー中にASが進行するとAVR群へ回ってしまう。
3、死因について述べられていない。
2009年1月19日月曜日
Endoleaks following endovascular repair of thoracic aortic aneurysm: etiology and outcomes.
J Endovasc Ther. 2008 Dec;15(6):631-8.
Morales JP, Greenberg RK, Lu Q, Cury M, Hernandez AV, Mohabbat W, Moon MC, Morales CA, Bathurst S, Schoenhagen P.
Cleveland Clinic, Cleveland, Ohio, USA
502例のうち、除外された200例を対象。endoleakは約20%に発症。追加インターベンションタイプ1(79%),3(57%)はが必要だが、タイプ2(24%)は少なく、経過観察で消失することが多い。ただし臨床上一番問題となる原因不明で瘤拡大が認められる症例は除外されている。
Endoleak危険因子はcarotid-subclavian bypass (p = 0.0001) とlengthy aortic coverage by the stent-graft (p = 0.005)
Zenith stent-graft(17%, n = 39) が少なく、Gore or Talent devices(34%, n = 10)が多い。
Morales JP, Greenberg RK, Lu Q, Cury M, Hernandez AV, Mohabbat W, Moon MC, Morales CA, Bathurst S, Schoenhagen P.
Cleveland Clinic, Cleveland, Ohio, USA
502例のうち、除外された200例を対象。endoleakは約20%に発症。追加インターベンションタイプ1(79%),3(57%)はが必要だが、タイプ2(24%)は少なく、経過観察で消失することが多い。ただし臨床上一番問題となる原因不明で瘤拡大が認められる症例は除外されている。
Endoleak危険因子はcarotid-subclavian bypass (p = 0.0001) とlengthy aortic coverage by the stent-graft (p = 0.005)
Zenith stent-graft(17%, n = 39) が少なく、Gore or Talent devices(34%, n = 10)が多い。
2009年1月16日金曜日
ヘパリンを使用せずにPCPSを離脱する方法
ヘパリンを使用せずにPCPSを使用した場合、2000回転以下で回路内凝固が進んでしまうため、離脱が難しい。ヘパリンを使えば簡単だが、出血がひどく、ヘパリンを使用できない場合の抜き方は、PCPS回路が詰まらないように、側枝から送脱血管内に生食を流してもらい、さらにシャントを使って回しておくことで凝固を防げる。この間に離脱し、しかもいつでも再開可能である。
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