2009年8月11日火曜日

PCI vs CABG

Coronary artery bypass surgery compared with percutaneous coronary interventions for multivessel disease: a collaborative analysis of individual patient data from ten randomised trials.
Lancet. 2009 Apr 4;373(9670):1190-7.

多枝病変に対する10のランドマイズド試験のデータにて比較。PCIはPTCAのみ(6)とBMS(4)とがある。エンドポイントは死亡。

結論は、65歳以上の高齢者とDM合併症例ではCABGのほうが安全で、55歳以下の若年者はPCIの方が良い。それ以外は引き分け。

患者の意向によって治療の選択を決めるのが良い。


日本の試験 CREDO-kyoto(DESvsCABG)では75歳以上についてのみ、CABGが優位。


問題は、よく言われているように、ランドマイズド試験自体が、エントリー症例のうち非常に病変の軽い(PCIができる程度の)約1割しか、対象にできないため、real worldを反映しないということ。
またBMSの時代は終わり、今はDESが中心であり、その結果が注目される。
しかし現段階では(SYNTAXなど)、DESは、再狭窄率は少ないがlate thrombosisがあり、成績はほとんど変わらないため、おそらく比較試験でも差は出ないであろう。

成績がほとんど変わらない以上、real worldに応じて、医師の勧め、患者の意向で決めるのが良いと思う。
ただしgate keeperがInterventionistか、それ以外のCardiologistかは大きな問題である。

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